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契約書における「期限の利益」が喪失するのはどんなとき?

契約を結ぶ際に「甲は乙に対し何年何月何日までに○○をしなくてはならない」といったように履行期限を定めることがほとんどだと思います。

期限の利益とは、このような履行期限の到来までは債務の履行をしなくてもよい、という債務者の利益のことです(民法第136条)。

しかし、期限の到来までに一方当事者の財産状況が悪化し、期限の到来を待っていては、債権の回収が不可能又は著しく困難になる場合があります。

そこで、一定に事由が生じた場合は、債務者の期限の利益を喪失させ、すぐに債権を請求できるようにする必要があります。

民法でも期限の利益の喪失について定められおり、喪失事由は次の三つです(民法第137条)。

  1. 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき
  2. 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき
  3. 債務者が担保を供す義務を負う場合において、これを供しないとき

この三つ以外にも一方当事者の信用が失われたと考えられる場合があり、民法上の定めだけでは十分とはいえません。よって、これらとは別に当事者の合意によって、契約書に期限の利益が喪失する事由を追加することがあります。これが期限の利益の喪失条項です。

ただし、無制限に事由を定めることはできません。一方当事者に不当に不利益な場合は、無効とされることもあります。

なお、期限の利益を喪失し、債務の期限が到来すると、次のことができるようになります。

  1. 債務の履行請求
  2. 相殺
  3. 担保権の実行
  4. 契約解除

期限の利益の喪失条項は、債権者の債権回収にとって、とても重要な条項といえます。