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売買契約に関する契約書作成の注意点~目的物の引渡義務~

目的物の引渡義務の原則

売主は、財産権の移転に伴い、目的物を買主に現実に引き渡す義務を負います。

ここで重要なのは、引渡しの期限(納期)と引渡し場所です。まずは原則をみていきましょう。

①引渡しの時期

目的物の引渡しについて、契約上期限が決められていない場合は、履行の請求を受けるまでは売主の任意の時期に給付すればよい、と民法で定められています(民法第412条3項)。売主は自らの給付と引き換えに、代金の請求をできることになります(民法第533)。

②引渡しの場所

特定物の場合…契約時に目的物が存在した場所

不特定物の場合…履行時における債権者の住所(民法第484条)

※商行為により売買契約がなされた場合は、不特定物の引渡し場所は原則として営業所であり、営業所がない場合はその住所となることに注意して下さい(商法第516条1項)。