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取消制度~「話がちがう」とわかったら~

<事例16>

漢方薬販売のマルチ組織と契約して販売員をしていたが、勧誘の際、「この漢方薬を飲めば病気が治る」といわれ、それを信じて契約した。しかし、実際はただの健康食品で、そのような効能はないことがわかった。既にクーリング・オフ期間を過ぎてしまったのだが、販売員を辞めることはできないのだろうか。

2017年5月9日の記事でご紹介したとおり、事実と異なる説明や強引な勧誘が多いことは、連鎖販売取引の問題点の1つです。禁止行為とされてはいますが、規制の内容を末端の販売員まで周知させるのは難しく、違法な勧誘行為がなくなったとはいえません。また、連鎖販売取引は複雑な仕組みをしており、実情がわかるまでは時間がかかるという特性があります。20日という長いクーリング・オフ期間を設けてはいますが、マルチ組織は集団で行動することが多いので、一種のマインドコントロールのような状態に陥り、冷静な判断ができるようになるまで長い時間がかかることも少なくないのです。クーリング・オフ期間の20日を経過してから「話がちがう」とわかった場合、契約を取り消すことはできないのでしょうか。

勧誘時に事実と異なる説明があった場合や、重要事項に関する事実をわざと隠していた場合で、消費者がその説明を信じて契約したとき、訪問販売と同様に取消制度を利用することができます。取り消しできる期間は勧誘の際の説明が事実と違うことをはっきりと知った時から6ヶ月です(2016年改正により1年に延長される予定です)。ただし契約の時から5年を経過すると取り消すことができなくなります。