企業法務担当者様向けブログ

特定継続的役務提供とは~エステ・語学教室・学習塾等への規制~

特定継続的役務提供とは、特定商取引法で規制されている類型の1つで、継続的なサービス提供をまとめて契約させる取引方法のことです。たとえば、エステサロンで複数回の施術をまとめて申し込むものや、学習塾で予め1年分の講義を申し込ませるものがこれにあたります。

中でも特定商取引法で規制されているのは、政令で指定された以下の6種類のうち、契約期間・契約金額の条件を超えるものです。(契約期間・契約金額の条件については7月6日の回を参照下さい)

・エステティックサロン

・語学教室

・家庭教師

・学習塾・学習指導

・パソコン教室

・結婚相手紹介サービス

従来これらのように長期にわたって提供するサービスでは、月謝制だったり、サービスの都度料金を支払ったりしていましたが、1990年頃から長期間分をまとめて契約させ、料金を前払いさせる事業者が増えてきました。そうすることで事業者はまとまった資金を手にすることができ、事業展開上有利なためです。

しかし、この種のサービスは契約締結時にサービスの質が判断しにくく、結果が予測できないという特殊性があります。「やはり自分に合わない」「思ったような効果がない」と思ったときに、自由に解約できないのでは、消費者にとって一方的に不利といえるでしょう。

事業者の中には、中途解約をしても返金に応じないものが現れました。また、大手事業所が倒産し、多くの消費者がサービスを受けることも、金銭を返してもらうこともできないという被害に遭いました。こうしたトラブルが相次いだため、特定継続的役務提供は法律で規制されるようになったのです。