企業法務担当者様向けブログ

関連商品とクーリング・オフ②

前回ご紹介したとおり、サービス提供の契約と関連商品購入の契約は別のものですので、本来は、サービス提供の契約を解除したからといって、関連商品購入の契約も解除になるわけではありません。しかし、サービス提供の契約を解除したことで使うあてがなくなった商品とその支払いだけが残るのでは、消費者保護が十分とはいえないでしょう。

そこで、特定継続的役務提供では、サービス提供の契約をクーリング・オフした場合、関連商品についても、一緒にクーリング・オフすることができる、としています。

 

<事例22>

パソコン教室に入会するにあたって、授業で使用すると言われ、教室から指定された販売業者からパソコンを購入した。翌日思い直し、パソコン教室への入会をクーリング・オフしたが、パソコンは別の販売業者から購入したものなので、返品できないと言われた。パソコンの代金を支払わなくてはいけないのだろうか。

 

事例のような場合、たとえサービス提供業者と関連商品の販売業者が別であったとしても、一緒にクーリング・オフが可能です。ただし、関連商品販売業者へ別途クーリング・オフの通知を出す必要があります。

もっとも、サービス提供業者が指定した販売業者でなく、一般の家電量販店のような市中の業者から購入した場合は、クーリング・オフすることはできません。

また、本来物品購入の契約は特定商取引法の規制の対象外のため、サービス提供契約は継続したまま、関連商品購入の契約だけクーリング・オフすることはできません。事例の場合だと、パソコン教室の契約は継続して、パソコンだけクーリング・オフする、ということはできません。