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無期転換の効果①~無期転換申し込み後の雇い止めは有効?~

前回まで、無期転換ルールが適用される条件についてご説明してきました。それでは従業員から無期転換の申し込みがあったとき、具体的にどのような効果が発生するでしょうか?

いつから期間の定めのない契約になるのか?

1つめの効果は、有期労働契約から期間の定めのない契約になることです。ただし、いつから期限の定めのない契約になるかについては、少し注意が必要です。期間の定めのない契約は、無期転換の申し込み時点で締結されている有期労働契約の期間満了日の翌日から開始します。たとえば、下記の図のように、雇い入れから1年ごとに契約更新している従業員が、無期転換申込権の発生する6年目に無期転換の申し込みを行ったとすると、6年目の契約の期間満了日の翌日、つまり7年目の契約の初日から期間の定めのない契約が開始します。無期転換の申し込み時点から切り替わるわけではありません。

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無期転換申し込み後の雇い止め

先程の例では、無期転換の申し込みをした後であっても、6年目の契約が満了するまでは有期労働契約です。では、無期転換の申し込みがあった後、6年目の契約の期間満了をもって雇い止めにした場合、企業は無期転換を避けられるでしょうか。
この点について、厚生労働省(基発8010第2号)は、「有期労働契約者が無期転換申込権を行使することにより、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される無期労働契約がその行為の時点で成立している」ため、このような行為は期間満了による雇い止めではなく既に成立している無期労働契約の解約、つまり解雇にあたる、としています。
解雇にあたると、労働基準法の解雇予告や解雇予告手当に関する規定が適用されるだけでなく、「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして無効となります。無期転換を避けることだけが目的の雇い止めについては無効と判断されるため、リスクが高いといえるでしょう。

労働契約法(無期転換ルール)
参考書籍:Q&A 有期労働契約者の無期転換ルール 新日本法規出版