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派遣契約と無期転換ルール②

前回派遣労働者Lさんについて、無期転換申込権が発生することを確認しました。引き続き、事例5についてご紹介します。

無期転換はどの企業に申し込む?

事例5の場合、Lさんは株式会社シノハラへ無期転換を申し込むことが出来るでしょうか?派遣労働者は感覚的に派遣先企業へ勤めていると思いがちですが、Lさんの使用者は前述の通り派遣元であるS社です。無期転換を申し込む先は株式会社シノハラではなく、S社になります。このとき無期になるのはあくまでもS社との雇用契約である点に注意が必要です。無期転換を行ったからといって、株式会社シノハラが派遣を受け入れ続けなければいけないわけではないため、S社と株式会社シノハラとの労働者派遣契約が終了すると、慣れた職場環境に長く勤めたいというLさんの希望は叶わない可能性があるのです。

無期転換を行うメリット

もっとも、無期転換を行うことのメリットもあります。1つめはいわゆる派遣切りなどの不安がなくなることです。S社と株式会社シノハラの労働者派遣契約が終了した場合、S社はそれを理由にLさんの労働契約を終了することは出来ず、Lさんの次の派遣先を探さなければいけません。
2つめに労働者派遣法には派遣可能期間の制限がなくなることが挙げられます。労働者派遣法では、個人単位では3年を超えて同じ職場(いわゆる課などの組織単位)に派遣することができません。しかし、派遣元と無期雇用契約を結んでいる派遣社員については、制限期間を超えて派遣を継続することができるのです。派遣先としても職務に慣れた派遣社員を継続して受け入れることにはメリットがあるため、同じ職場への派遣が継続され、長く働ける可能性は高くなるといえるでしょう。

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労働契約法(無期転換ルール)
参考書籍:Q&A 有期労働契約者の無期転換ルール 新日本法規出版