企業法務担当者様向けブログ

これって訪問販売?②~販売される商品、サービス、権利~

訪問販売の定義について前回紹介しましたが、契約場所の条件さえ満たせば、どのようなものを購入したときでも、訪問販売の規制の対象となるのでしょうか。

特定商取引法では、対象となる商品・サービスについても条件があります。以前は「政令で指定された商品、役務(サービス)、権利」を購入した場合に限られていましたが、2008年改正で商品・サービスについては制限がなくなり、原則全ての商品・サービスが対象となることになりました。

一方、指定権利(施設を利用したり、サービスの提供を受けたりする権利のうち制令で指定されたもの)についてはそのまま残り、制令で下記の3つが指定されていました。

・保養のための施設またはスポーツ施設を利用する権利

・映画、演劇、音楽、スポーツ、写真又は絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞し、又は観覧する権利

・語学の教授を受ける権利

 

しかし、社債や未公開株など投資商品の販売による被害が発生したことから、2016年の改定で規制対象を指定権利から「特定権利」と改め、具体的に下記の権利を購入した場合としました。1つめの権利は従来の指定権利のことですので、2つめ以降の権利を新たに加えた形になります。

・施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであって政令で定めるもの

・社債その他の金銭債権

・株式会社の株式、合同会社、合名会社若しくは合資会社の社員の持分若しくはその他の社団法人の社員権又は外国法人の社員権でこれらの権利の性質を有するもの