企業法務担当者様向けブログ

連鎖販売取引とネズミ講のちがい

マルチ商法ときくと、「それってネズミ講じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

マルチ商法とネズミ講は、金銭を支払って会員になり、自分より下の階層の会員を増やすことで利益が得られる、という仕組みは共通しています。一方で、マルチ商法は規制さえ守っていれば合法であるのに対し、ネズミ講は「無限連鎖講の防止に関する法律」で全面禁止されており、違反すれば犯罪となるという大きな違いがあります。両者はどのように異なるのでしょうか。

ネズミ講は、法律上は「無限連鎖講」といい、次の3つの条件を満たすものとさだめられています。

・金品を支払うことで会員になれる金銭配当組織であること

・2以上の倍数で後続の会員が増加するものであること

・先順位の会員が後順位の会員の支払った金品から、自身が支払った金品より多くの額・数量を受領することを目的としていること

簡単にいうと、「自分より下に2人以上会員を勧誘すれば、勧誘した会員が支払ったお金から、入会金以上の金額が手元に入る」という金銭配当組織のことです。

ネズミ講とマルチ商法のもっとも大きな違いは、マルチ商法が商品の販売組織であるのに比べ、ネズミ講は単に金品の受け渡しを目的とする組織である点です。

近年はネズミ講であることをカモフラージュするため、商品の売買を装う組織もありますが、現実に商品販売の実態がない場合(商品に対して著しく価格が高い場合など)はネズミ講として刑事処罰の対象となる場合もあります。商品やシステムについてよくわからないままに組織に参加すると、ネズミ講の可能性があるので、注意が必要です。