競業避止条項は一方にとっては都合の良い条項ですが、もう一方の自由をかなり制限することになる条項です。憲法で保証されている「営業の自由」との関係や独占禁止法上の問題もあり、過去の判例では、競業避止義務が無効と判断されたケースもあります。
有効な条項にするためのポイント
競業避止義務を契約書に記載する際には、過去の判例の傾向を踏まえ、主に下記のポイントについて果たして合理的なのか考慮する必要があります。
①競業避止義務の期間
②競業避止義務の地域の範囲
③競業避止義務の業種が限定されているか
④競業避止義務の代替措置としての見返りがあるか
会社を守るためとはいえ、同一の営業を全て禁止としては、相手の今後の生計の途を奪うことにもなりかねません。競業避止条項を定めるときは、お互いのことを十分に考える必要があります。