訪問購入の規制の対象となるのは、法令で定められた以下の物品以外全ての物品です。なかでも宝石や貴金属の買取りによる被害が多くあります。
<法令で規制の対象から除外されている物品>
自動車・家電・家具・書籍・有価証券・CD・DVD・ゲームソフト類
古本や中古自動車においては、買取業者に自宅へ来てもらって査定する取引形態がよく行われますが、これらは適用除外となっています。最近ではインターネットの「一括査定サイト」の普及により、乗用自動車の訪問購入のトラブルが増加していますが、現状では規制の対象となっていません。
前回消費者が自ら要請して訪問してもらった場合でもクーリング・オフできるとご紹介しましたが、消費者が売買契約を締結することを目的として訪問するよう要請した場合は、特定商取引法の規制が適用されず、クーリング・オフは利用できません。たとえば、既に商品の査定が済んでおりその値段で契約したいといって来訪してもらった場合や「いくらでもいいから買い取ってほしい」と言って来訪してもらった場合などです。
ほかに、いわゆる御用聞き取引、常連取引や、住居からの引っ越しに際し消費者から買取を依頼した場合なども、規制が適用されません。これらの取引は自宅を訪問して買取を行うのが通例であり、消費者の利益を損なうおそれがないためです。
もっともこれらの取引の場合も、訪問に際して氏名・訪問目的等を明示しなければいけません。また消費者に勧誘を断られたら直ちに立ち去らなければならず、その場に居座って勧誘を続けたり、後日再度勧誘に訪れたりすることは禁止されています。