通信販売において広告は、消費者が事業者について情報を得るための唯一の手段です。そのため、広告には消費者の選択にとって必要な事項は全て表示しなければなりません。特定商取引法では、通信販売の広告には以下の事項を表示しなければならないと定めています。
<広告に表示しなければならない事項>
①事業者の住所、電話番号、氏名(代表者名)
②販売価格(送料も)
③販売価格・送料等以外に購入者が負担すべき金銭があるときはその内容及び額
④代金の支払い時期・方法
⑤商品の引き渡し時期
⑥商品に隠れた瑕疵(キズ、欠陥、性能上の問題点など)がある場合に、販売業者の責任について定めがあるときは、その内容
⑦返品制度の有無(返品可の場合には、その方法・期限・費用負担など)
⑧申し込みの有効期限があるときには、その期限。
⑨いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
⑩商品の販売数量の制限等、特別な販売条件があるときには、その内容
⑪請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料である時には、その金額
⑫電子メールによる商品広告を送る場合には電子メールアドレス
①については、事業の責任の所在を明らかにすることが必要なため、事業者が個人事業主であっても、全て表示が必要です。
②の送料や③の送料等以外の費用については、「手数料がかかる場合があります」といった表現ではなく、消費者がいくらになるのか予測できるよう、具体的な金額の表示が必要とされています。
⑦返品制度の有無については、平成28年12月20日の記事で紹介したとおり、返品不可とすることもできますが、その場合でも、返品制度がない旨を記載しなければなりません。また、「返品についてはご相談に応じます」といった文言では不十分で、返品できるのかできないのかがわかるような表示である必要があります。