通信販売でよく発生するのが、代金を前払いしたが商品が届かない、という被害です。また、商品は届いたがニセモノだった、商品に問題があったので交換を依頼したが対応してくれない、といった被害もあり、前払い式はトラブルが起こりやすい販売方法といえます。
在庫や店舗の必要ない通信販売は、規模の小さな企業が多く、いざトラブルになると夜逃げや倒産をしてしまうことも少なくありません。販売業者と連絡がつかないと交渉すら行えなくなるため、代金の回収や商品の交換はかなり困難になります。
特に専門誌やマニア向けの通信販売だと、「他では販売していない」「どうしても手に入れたい」と感じ申し込んでしまいがちですが、これらの多くが前払い式・返品制度なしの業者です。前払い式の取引方法は特定商取引法では禁止されていませんが、トラブルが起こりやすいことを理解し、リスクを選択するかどうか、消費者自身が判断することが重要です。
また、最近では組織的な外国人グループによるインターネット通販詐欺の被害も多く発生しています。最初から詐欺が目的であれば、在庫を用意する必要もないため、限定商品や有名ブランド商品など、滅多に手に入らない商品でも注文を受けることができます。これらの詐欺の場合、代金の支払いは前払いで個人名義の口座へ振り込むよう指定されることが大半です。また、メールの文面が不自然だったり、事業所の住所が実在しなかったりと、注意していれば被害を防止できる場合もあります。珍しい商品を注文するときほど、慎重に販売業者のことを見極めるようにしましょう。