<事例21>
エステティックサロンの契約をするとき、「施術の時に使用する」と言われ、美容クリーム5瓶を購入する契約をした。1度施術を受けたが効果が感じられなかったので、すぐにエステティックサロンの契約をクーリング・オフし、美容クリームも一緒にクーリング・オフしようとしたところ、「美容クリームは消耗品なのでクーリング・オフできない」と言われた。
関連商品のほとんどは使用してからでもクーリング・オフをすることができます。事業者は、使用後だからといって、使用料等を請求することはできません。
例外として、消耗品については、契約書面に「この商品を使用した場合、クーリング・オフ期間内であってもクーリング・オフできなくなる」旨の記載がある場合で、「消費者が自分の判断で使用した場合」は返品できません。消耗品には、①健康食品、②化粧品・石けん・浴用剤が指定されています。事例の場合、エステティックサロンの契約のクーリング・オフを申し出るまでに美容クリームを使用していなければ、美容クリームもクーリング・オフできます。
それでは美容クリームを1度でも使用したら、5瓶すべてクーリング・オフできなくなるのでしょうか。消耗品をクーリング・オフできるかどうかは、通常同種の商品が販売されている最小小売り単位(クリームなら1瓶、口紅なら1本など)で判断します。事例の場合、開封した美容クリームが1瓶であれば、残り4瓶はクーリング・オフすることができます。 これはたとえ美容クリームが5瓶セットでしか販売していなかったとしても、同じです。
また、購入時に「使用方法を説明する」などといって、サービス提供者に促されて開封した場合は、「消費者の判断で使用した場合」には該当しないため、クーリング・オフすることができます。