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無期転換の効果②~無期転換後の労働条件は?~

無期転換後の労働条件は?

無期転換後の労働条件について条文では、無期転換の申し込みによって締結される「期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件とする。」としています。前回ご紹介したとおり、有期労働契約から無期労働契約になるという違いはあるものの、それ以外の労働条件についてはそれまでと変わらないのが原則です。

無期転換をすると正社員と同じ待遇になる?

事例3)
C社では、正社員と契約社員で勤務時間は同じだが、給与が異なっている。契約社員を無期転換した場合、給与も正社員と同じにしなければならないのだろうか?

これまで正社員だけを無期雇用契約としていた企業が多いためか、無期転換の効果として、単純に正社員と同じ待遇になる、と勘違いされがちです。しかし、前述したとおり無期転換を行っても原則労働条件は変わりません。企業は、無期転換した従業員について、給与を正社員と同じ水準にしなければいけないということはなく、たとえ従業員が無期転換の申込時に正社員同様の労働条件を提示してきたとしても、企業がその条件で契約を締結したと見なされることはありません。また、転勤や残業ができない従業員に対し、無期転換を理由に、転勤や残業を行わせることも出来ません。

「別段の定め」がある場合の労働条件

一方で、企業側が優秀な有期労働契約者を正社員に登用したいときなど、無期転換前と異なる条件で労働条件を結びたい場合もあります。このような場合について労働契約法では、労働協約、就業規則及び個々の労働契約などに別段の定めがある場合は、無期転換前の労働条件とは異なる条件で労働契約を締結することができるとしています。

労働契約法(無期転換ルール)
参考書籍:Q&A 有期労働契約者の無期転換ルール 新日本法規出版