何か事情が生じて、契約を解除したいという事態になることがあるかもしれません。
解除とは、契約の一方当事者の意思表示によって、
当該契約の効力を消滅させることをいいます。
法定解除と約定解除
解除には、民法の定めによる場合(法定解除)と、
民法の定めとは無関係に一定の場合に契約の解除権が発生することが予め取り決められている場合(約定解除)とがあります。
法定解除の発生原因
法定解除の発生原因には大きく分けて2種類あります。
1.債務不履行(履行遅滞、不完全履行、履行不能 民法541~543条)
2.民法の契約類型の中で特別に定められている当事者の解除権
債務不履行による解除をするためには、相手方の債務不履行の事実が必要です。
不履行の内容等によって催告の要・不要や、
解除の可否および範囲なども変わってくるため、
「早く契約関係を終了したい」という当事者の要請に十分に応えるものとはいえません。
約定解除の規定
そのため、通常は、法定解除の他に、
相手方の信用が低下した場合などを約定解除の事由として規定することがほとんどです。
また、民法上に規定はないものの、判例上、
事情変更の原則による解除権の発生が認められていますが、
要件が大変厳しく実際に認められた判例は少ないです。
解除をしたいということは、一刻も早く当該取引関係を清算し、
新たな取引関係に進みたいという状況でしょうから、
契約にあらかじめ解除できる事由を明確かつ十分に定めておくことが有益でしょう。