企業間の売買契約においては、売主が目的物を引き渡す行為を「納入」、「納品」等といいます。
買主が目的物を引き取る行為を「受取り」、「受領」、「引取り」等といいます。
企業間の売買は種類物売買(原材料・部品等のように目的物が種類と数量とで指定される)であることが多いです。種類物売買の場合、目的物の実際の引渡し方法が問題となることがあります。この点裁判所は次のように示しています。
【最判昭和30.10.18】
漁業用タールの売買において、受渡の方法を、先ず買主が必要の都度引渡方を申し出で、これに対して売主が引渡場所を指定し、次いで買主が容器をその場所に持ち込み、タールを受領する旨約定した場合に売主が引渡場所を指定し、タールの引渡作業に必要な人夫を配置する等引渡の準備をなしたからと云つて、売主は「物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為ヲ完了シ」たことにはならない。
紛争を回避するために、実際の引渡し方法を可能な限り詳細に明確に規定しておきましょう。