次々販売の場合、契約時に個別クレジット契約も同時に締結させ、高齢者を借金漬けにする被害が多く発生しています。事業者はクレジット会社から一括で代金を得ることができるため、高齢者の収入・財産と見合っているかを考えず、次々と契約を締結させるのです。
個別クレジット契約は、クレジットカードの契約と違い、販売業者と提携しているクレジット会社と契約するため、自分でクレジット会社を選ぶことができません。そのため、気がつくと高い利息や手数料で契約している可能性があります。また、1度に支払える金額が少ないと支払期間を長く設定することになり、利息や手数料など実際の代金より高い金額を支払わなければいけなくなります。
個別クレジット契約は本来特定商取引法の規制の対象外なので、過量販売の解除制度を利用して商品購入の契約を解除したからといって、当然に個別クレジット契約も解除される訳ではありません。しかしその結果、商品は受け取っていないのにクレジット会社への支払は続けなければいけないのでは、消費者救済が十分とはいえないでしょう。
そこで、過量販売の解除制度が導入されると同時に個別クレジット契約について定める割賦販売法も改正され、訪問販売の過量販売の場合、個別クレジット契約そのものも解除することができるようになりました。この制度を利用すると、たとえ個別クレジット会社が訪問販売業者へ立替払いをした後でも、消費者に対して支払いを求めることはできず、既に消費者が個別クレジット会社へ支払いを行っていた場合、個別クレジット会社は支払った全額を返還しなければいけないことになっています。
ただし、訪問販売業者への通知とは別に、個別クレジット会社へも解除の通知をする必要があること、解除制度が利用できるのは契約の時から1年に限られることに注意が必要です。