これまで特定商取引法の規制についてご紹介してきましたが、規制に反した場合、販売業者には行政処分が行われます。
行政処分は、販売業者に対して行政処分を行う旨を記した文書を交付し、それを販売業者が受け取って初めて効力を生じます。しかし、近年レンタルオフィス・バーチャルオフィスの普及により、違反業者の所在がわからない場合が増え、文書を交付できないために行政処分を行えないことがありました。これでは、違反業者を取り締まることができず、違反行為はいつまでも続いてしまいます。
そこで、2016年の改正において、行政処分の文書を送付する方法として、「公示送達」による処分も可能となりました。
「公示送達」とは、所在が不明な相手や、海外に住んでいて文書を受け取ったのか確認が取れない相手、また相手方が誰なのかはっきりしないときなどに、裁判所の前などに送付物を張り出しておき、一定期間が経過したら、文書交付をしたことにする、という制度です。
これによって、所在のわからない事業者に対しても、行政処分が行えるようになりました。
この規定は、通信販売だけでなく、全ての取引類型に適用されます。