企業法務担当者様向けブログ

勧誘方法・広告に対する規制

<事例29>

「モニター募集」のチラシを見て応募したところ、後日「採用になりました」という連絡が来た。その後の手続の中でモニターになるには高額な太陽熱温水器を購入する必要があることがわかったが、既に採用の手続を進めていて断りにくかったのでそのまま契約した。

 

業務提供誘引販売取引の販売方法には様々なものがありますが、勧誘の際、単に「内職をしませんか」「モニターを募集しています」などと収入が得られることだけを強調し、通常の求人だと誤認させるものも少なくありません。

そこで特定商取引法では、事業者は勧誘に先立って正式な氏名や勧誘の目的(特定負担を伴う契約の勧誘であること)、どの商品について勧誘するかを明示しなければならないと定めています。

また、勧誘時にウソをついたり、脅したりすることは禁止されています。実際は歩合制や出来高制なのに、「月収○万円」などといかにも毎月の支払が確実であるような説明を行うこともウソの勧誘にあたります。

 

広告についてもトラブル防止のため、記載すべき事項が定められています。特に業務の提供条件についてはトラブルになりやすいため、「仕事を紹介する」「収入になる」といった抽象的な言葉だけでなく、1ヶ月や1週間あたりにどのくらいの量の仕事を紹介してもらえて、どういう条件で収入が得られるのか、詳しく記載する必要があります。

また、メール広告については、通信販売と同様に、迷惑メールに関する規制(オプトイン規制)があります。消費者から事前の承諾がないのに、広告メールを送信してはいけません。

特定商取引法では誇大広告も禁止しています。広告には平均的な収入を記載することとされており、特別に多く収入を得ている人の例をあたかも当たり前のように掲載するのは誇大広告にあたります。