前回は、社会通念上許容範囲であると認められる就業中の私用メールについて、職務専念義務違反を否定したケースもあることを述べました。無論、その反対に、私用メールの量とその内容の不適切さから、懲戒解雇処分を有効と判断したケース…
許可なく会社情報を社外に持ち出した従業員への対応は? ②
前回の続きです。 会社保有情報の持ち出しに対する対策としては、情報セキュリティの観点から、まずは持ち出し自体を社内規定で規制し、社外で業務上必要とする場合は許可制にし、持ち帰り残業を目的とする持ち出しは不許可にしましょう…
副業収入と兼業禁止の問題 ~ブログの広告収入~
従業員が個人的にブログを開設し、ある商品やサービスの広告を掲載して収入を得るケースがあります。これが兼業に該当し、形式上職場の兼業禁止規定に違反しているとしても、直ちに懲戒処分が認められるわけではありません。以下、検討す…
ネット上の書き込みへの対応 ~発信者の特定とその後の措置~
○プロバイダに対して発信者情報の開示請求をする 掲示板運営者が開示したアクセスログ(前回記事参照)をもとにプロバイダを割り出し、そのプロバイダに対して発信者の氏名や住所等の開示を求めます。開示してもらえない場合、発信者情…
SNS炎上の事後対応①
不適切な投稿が発覚・炎上してしまったら・・・ ○投稿を印刷するか画面を撮影するなどして、証拠を確保しましょう。 ○投稿の拡散状況や投稿者を確認しましょう。 ○従業員自身のアカウントからの投稿は、私的な行為なので企業は基本…
SNS炎上の予防策②
○従業員に対する教育・研修の機会を設ける ポイントとして、 ①SNSの特徴を認識させる(過去の記事参照) ②全ての従業員を対象とする ③炎上の実例を紹介する ④不適切な投稿が招く問題点を挙げ、注意喚起する ・法的な問題(…
SNS炎上への予防策①
SNS炎上を防ぐために、企業として何か対策を講じていますか?以下、予防策をご紹介します。 ○SNSの利用に関する社内ルールを整備する ・服務規律や懲戒事由として就業規則に規定する ・ポリシーやガイドラインの形で定める* …
従業員の損害賠償責任について
従業員が故意または過失により会社に損害を及ぼした場合には、会社は損害賠償を請求することができます。(民法709条)また、従業員が債務不履行により損害を及ぼした場合にも、会社は損害賠償を請求することができます。(民法415…
懲戒手続の内容について
処分は適正な手続で! 懲戒処分が従業員に重大な不利益を及ぼすものであることを考慮に入れると、懲戒処分は適正な手続きに従って行われることが必要と言えるでしょう。 実際の就業規則の中には、労使の代表者で構成される懲戒委員会や…
懲戒事由 ―就業規則でしっかり規定し、限定して課しましょう―
就業規則で規定すべし 会社は、就業規則において懲戒事由としてあげた事由に基づいてしか、懲戒処分を課すことができないのでしょうか。 最高裁判所は、「規則に従い」懲戒処分を行うものと述べているので、懲戒処分を実際に行う場合に…