さて、前回まで、著作権の保護期間についてご説明してきました。 著作権法に定められた保護期間を過ぎると、著作権は消滅します。 そして著作権が消滅した著作物は公有(パブリック・ドメイン)となり、著作者の人格的利益を害しない限…
保護期間の特例
外国の著作物の日本での保護期間、あるいは日本の著作物の外国での保護期間はどうなるでしょうか。 まず、日本はベルヌ条約をはじめとする著作権に関係する国際条約を締結しており、その条約によって保護を受ける外国の著作物は、日本で…
保護期間の計算方法
著作権保護期間について、著作権法は計算を簡単にするための規定をおいています。「死後」「公表後」「創作後」といった保護期間の終期を計算する場合には、その日の属する年の翌年1月1日を起算点とする(著作権法57条)という規定で…
著作権の保護期間の例外 ④継続的刊行物などの「公表」時期
さて、前回までにご紹介したように、いくつかの場合には「公表」した時を基準として著作権の保護期間が算定されます。 ただ、著作物によってはいつを「公表」と見るべきか難しいものもあります。たとえば連載小説など、一つの作品が何度…
写真の著作物の保護期間
写真の著作権は、原則どおり、著作者の死後50年経過時に消滅します(著作権法51条2項)。 これについて、平成8年改正前の著作権法は旧55条において、公表後50年(創作後50年以内に公表しなかったときは創作後50年)と定め…
著作権の保護期間の例外 ③映画の著作物
映画の著作物の場合は、公表後70年間著作権が存続します(著作権法54条)。ただし創作後70年間公表されなかった場合は、創作後70年で消滅します。 以前は50年でしたが、平成15年の著作権法改正により70年になりました。 …
著作権の保護期間の例外 ②団体名義の著作物
次に、法人などの団体が著作者として表示されている場合、保護期間はどうなるのでしょうか。 法人は、自然人のように死期を基準とした保護期間の計算ができません。そこで、法人など団体名義で公表された著作物は、著作物の公表時を基準…
著作権の保護期間の例外 ①無名・変名で公表された著作物
前回、著作権の原則的な保護期間は「著作者の死後50年」とご説明しましたが、これは個人(自然人)が創作し、実名で公表された著作物の場合です。 個人が創作した著作物でも、氏名の表示がない場合や、変名(本名とは異なる名称)で公…
著作権の保護期間
著作権の発生 著作者人格権及び著作権は、著作物を創作することによって発生します(著作権法51条1項)。 特許権などと異なり、権利を得るための手続は特に必要ありません。 著作権の消滅 著作権は、原則として著作…
フェアユース規定とは?
前回までご紹介してきましたように、日本の著作権法は著作権者の許諾なく利用できる場合を定めています(制限規定)。 しかし、これでは昨今のデジタル・ネットワーク化の急速な進展により、どんどん生まれる新しい創作や利用の態様への…