ネットワーク上の情報流通が円滑かつ確実に行われるには工夫が必要です。多数のアクセスに対し効率よく安定的に対処できるようにしたり、災害時にシステムがダウンしてしまっても対処できるようにしたりする工夫です。
その際には、ネットワーク上の著作物をサーバに記録する必要がある場合も多く、そのたびに著作権者に許諾をとるのはあまりにも大変です。また、こういった利用は著作権者を害するような利用でもないと考えられます。
このような状況に対応するため、2009年に著作権法が改正され、サーバの管理事業者等が行う下記の行為は著作権侵害にあたらないとされました。
①アクセス集中による送信遅延の防止(ミラーリング)
②サーバに障害が発生した場合の復旧(バックアップ)
③送信の中継の効率化(キャッシング)
※ミラーリング・・・ハードディスクなどの記憶装置にデータを記録する際、同一のデータを同時に複数の記憶装置に記録する方法。
※キャッシング・・・使用頻度の高いデータを高速な記憶装置に蓄えておくことにより、いちいち低速な装置から読み出す無駄を省いて高速化すること。