売買契約に関する契約書作成の注意点~引渡しの時期について~

買主からみた注意点 買主としましては、必要に応じて引渡時期(納期)を明確にしたいところです。 目的物の保管能力や、保管費用等も考慮しなくてはなりません。例えば、工場で使用する原料などは、納期が早ければよいというわけではあ…

売買契約に関する契約書作成の注意点~目的物の引渡義務~

目的物の引渡義務の原則 売主は、財産権の移転に伴い、目的物を買主に現実に引き渡す義務を負います。 ここで重要なのは、引渡しの期限(納期)と引渡し場所です。まずは原則をみていきましょう。 ①引渡しの時期 目的物の引渡しにつ…

年次有給休暇 ー労基法ではこのように規定されていますー

年次有給休暇(年休)に関しては、労基法39条で細かい規定がおかれています。 ①時季指定権と時季変更権 会社は、従業員が請求した時季(時季指定権)に年休を付与しなければなりません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合におい…

売買契約に関する契約書作成の注意点~もし買主が倒産してしまったら?~

前回説明したように所有権留保特約を交わしたものの、買主が倒産してしまった場合はどうなるのでしょうか。この点について述べた判例があります。 【最判平22.6.4】 自動車販売会社から自動車を購入する際、買主は信販会社の自動…

労基法上の休日 ―休日について確認しましょう―

毎週少なくとも1日の休日を付与すべし 労基法上、会社は、従業員に対して、毎週少なくとも1日の休日を与えなければなりません。(35条1項)この休日は、日曜日や祝日である必要はありません。また、4週間を通じて4日以上の休日を…

売買契約に関する契約書作成の注意点~所有権留保特約とは?~

経済的な意味から、所有権移転の時期を考える必要があります。 売主側から考えてみますと、買主が代金を支払う前に所有権等の財産権が買主に移転してしまうと、買主が目的物を他の人に売る等の処分をしてしまい、そのうえ代金を支払わな…

売買契約に関する契約書作成の注意点~所有権移転の時期についての特約が必要な場合~

不特定物売買の場合、前回ご紹介したとおり、目的物の特定時に所有権が移転します。 持参債務の場合は、納品場所に持参して提供された時点で移転するというわけですが、この点、注目すべき判例があります。 【最高裁 昭和36.12.…

労働時間規制の適用除外 ー管理監督者の範囲は?ー

労基法上の労働時間規制の適用除外を定める規定の中で、特に「管理監督の地位にある者」(管理監督者)の範囲がよく問題になります。 管理監督者にあたるかどうかの判断は? ① その従業員が、雇用主の経営に関する決定に参画し、労務…

売買契約に関する契約書作成の注意点~所有権移転の時期の原則~

所有権移転の時期について、まずは原則を確認しましょう。 特定物売買の場合 特定物売買においては、所有権は契約と同時に買主に移転します(民法第176条)。 契約時に売主が目的物を所有していない他人物売買においては、売主が目…

裁量労働制を導入する際の注意点

裁量労働制とは、業務の遂行に関して従業員に裁量が認められている一定の業種について、労働時間規制を、実労働時間による算定によらずに、みなし労働時間によるとするものです。これは、労働時間の算定についての「みなし」のみを認める…